美容や健康に効果があることから黒にんにくの購入を検討しているものの、自宅でできる作り方があるのか気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
インターネットで購入すると到着までに時間がかかるので、自分でできる作り方があるとよいですよね。
そこで本記事では、黒にんにくを自宅で作る場合の作り方を紹介します。
黒にんにくを手作りで楽しんでみたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
黒にんにくは作れるものなのか?
黒にんにくとは、一般的な白にんにくを熟成させることで作れるにんにくのことです。
決められた手順どおりに行えば自宅でも作ることができます。
黒にんにくの特徴としては、長期間にわたって熟成することで見た目が真っ黒になっており、さらに白にんにくと比べて身体によい栄養素がつまっていることが挙げられます。
なお、黒にんにくは熟成する段階で起こるメイラード反応と呼ばれる現象によって黒くなっているため、焦げて黒くなったわけではありません。
メイラード反応は、食品に含まれるたんぱく質や糖質などが熱に反応して、メラノイジンという褐色物質が生成されることで起こります。
白にんにくを熟成させてメイラード反応を起こすことさえできれば、自宅でも黒にんにくを作れるというわけです。
皆様のご家庭にあるものだと、炊飯器を使えばメイラード反応を起こせるため、簡単に黒にんにくが作れます。
黒にんにくについて詳しく知りたい方は、「黒にんにくとは?白にんにくとの違いや特徴も紹介」の記事を併せてご覧ください。
炊飯器を用いた黒にんにくの作り方
おいしい黒にんにくを作るためには、正しい手順で作ることが大切です。
ここからは、炊飯器を使った黒にんにくの作り方を、4つの手順に分けて紹介します。
手順①黒にんにくのもととなる白にんにくを選ぶ
まずは、黒にんにくのもととなる白にんにくを用意します。
おいしい黒にんにくを作るためには、白にんにく選びがとても重要です。
おいしい白にんにくを選ぶためのポイントは、全体的に丸みを帯びており、ずっしりと重みを感じるものを選ぶことです。
スーパーで白にんにくを購入する場合には、白にんにくを手に取って丸みを帯びて重みのあるものを選んでみてください。
手順②炊飯器に白にんにくを入れる
続いて、黒にんにくの材料となる白にんにくを炊飯器に入れていきます。
白にんにくを炊飯器に入れる際は、熟成中に出る水分を吸収するために炊飯器の中に布を敷きましょう。
炊飯器のなかに布を敷かずに白にんにくを入れると、水分を含んだ黒にんにくになってしまいます。
炊飯器に入れる布がない場合は、アルミホイルや金網などでも代用できます。
手順③10日以上保温してにんにくを熟成させる
白にんにくを炊飯器に入れ終えたあとは、炊飯器の保温機能を使って熟成させていきます。
なお、メーカーによって異なりますが、基本的には炊飯器の保温機能は半日~1日ごとに自動で切れてしまいます。
そのため、定期的に保温機能を入れ直す作業が必要です。
また、白にんにくを熟成させる期間の目安は、10日以上です。
熟成期間が長い場合は白にんにくがしっかり黒くなって酸味が増し、熟成期間が短い場合は白にんにくの色味はあまり黒くならず甘みが増します。
熟成期間によって黒にんにくの味も変わるため、いろいろなパターンで試してみて、好みの味になる熟成期間をぜひ見つけてみてください。
手順④熟成させた黒にんにくを乾燥させる
熟成期間を経て、白にんにくが黒にんにくになったら、炊飯器から取り出して乾燥させます。
しっかり乾燥させることで黒にんにくの味が落ち着き、おいしさが増します。
黒にんにくの底までしっかり乾燥させるためにキッチンペーパーやザルの上に乗せましょう。
また、乾燥させる環境は、日かげや日なたなどどちらでも大丈夫です。
ただし、乾燥がしっかりとできていない場合は、黒にんにくの内部に水分が残ってしまいます。
そのため、しっかりと乾燥させたいという方は、できるだけ日なたで干すことがおすすめです。
黒にんにくの作り方に失敗してしまった場合と対処法
自宅で黒にんにくを作ってみたものの、失敗してしまうこともあるでしょう。
ここからは、黒にんにくの作り方に失敗した場合に考えられる原因や対処法を紹介します。
黒にんにくの作り方に失敗してしまったという方も、ぜひ参考にしてみてください。
ケース①黒にんにくが酸っぱい
白にんにくを熟成させる期間が長いと、酸っぱい黒にんにくになってしまいます。
黒にんにくは、熟成期間が長いほど酸味が強くなります。
しかし、この酸味自体に害があるわけではないため、食べることに問題はありません。
もし、できるだけ酸味を抑えた黒にんにくを作りたい場合は、熟成期間を短くすることをおすすめします。
ケース②黒にんにくが固い
黒にんにくを作る段階で必要な熟成中の温度が高いと、黒にんにくが固くなりやすいです。
熟成期間が長すぎたり温度が高すぎたりすると、黒にんにく自体が固くなり場合によっては焦げてしまいます。
この場合は、熟成期間を短くしたり、温度を下げたりして作り直してみましょう。
黒にんにくの温度管理については「黒にんにくを作るのに必要な温度は?家庭での作り方を紹介」の記事で詳しく説明しているのでぜひご覧ください。
ケース③黒にんにくの水分が多い
黒にんにくの水分が多い場合に考えられる原因は、乾燥がしっかりとできていないことです。
特に収穫してすぐの生にんにくには多くの水分が含まれているため、黒にんにくをおいしく作るためにも、熟成させたあとにしっかりと乾燥させましょう。
なお、水分の多い黒にんにくは食べても問題ありません。
ただし、皮にカビが発生してしまう可能性が高いので、早めに食べるか冷蔵庫や冷凍庫などで保存することをおすすめします。
黒にんにくを自宅で作るメリット・デメリット
黒にんにくを自宅で作ることには、メリットとデメリットがそれぞれあります。
メリット・デメリットに分けて、詳細を紹介します。
メリット
自宅で黒にんにくを作るメリットは、自分の好みに合わせた黒にんにくを作れることです。
黒にんにくは、熟成期間の長さによって味が変わります。
そのため、酸っぱさを求める方は熟成期間を長く、甘みを求める方は熟成期間を短くすれば、自分の好みに合った黒にんにくを作れます。
デメリット
黒にんにくを自分で作る場合、購入するよりも手間はかかってしまいます。
材料を揃えることや毎回自分で熟成や乾燥の工程を行うことが負担に感じる方には、デメリットだといえるでしょう。
また、炊飯器に、にんにくのにおいがついてしまうというデメリットもあります
というのも、黒にんにくは熟成途中に硫化アリルと呼ばれる刺激臭を含む催涙成分を大量発生させます。
そのため、家のなかでも頻繁に利用するリビングやキッチンなどで熟成させた場合はこのにおいによって日々の生活に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、金属製品や電化製品に対しても故障の原因にもなりかねないです。
そのため、黒にんにくを作ることが手間だと感じられる方や炊飯器にニオイがつくことが気になる方には、出来上がっている黒にんにくを購入することをおすすめします。
黒にんにくの保存方法
黒にんにくは正しく保存ができていなければ、皮にカビが発生してしまうことがあります。
黒にんにくの品質を保った状態で長く保存するためには、乾燥した涼しい場所で保管しておくことがおすすめです。
また、保存方法によって、保存期間の目安も異なります。
ここからは、黒にんにくの主な保存方法を紹介します。
黒にんにくの保存については、「黒にんにくの適切な保存方法とは?保存する際の注意点も紹介」の記事でも詳しく説明しているのでぜひご覧ください。
保存方法①常温の場合
黒にんにくは、常温で保存した場合でも約1か月は問題なく保存できます。
ただし、常温での保存が2~3か月になると、黒にんにくが乾燥することで食感が固くなるため注意が必要です。
黒にんにくを常温で保存する場合には、風通しのよい場所を選びましょう。
黒にんにくは底が蒸れると皮にカビが発生する可能性が高くなるため、風通しのよい場所でキッチンペーパーやザルに乗せて保存しておくことをおすすめします。
また、もし常温で保存している黒にんにくから液が垂れている場合は、長期間保存できる冷凍庫への保存方法に切り替えましょう。
保存方法②冷蔵庫の場合
黒にんにくを2~3か月以上保存したい場合には、冷蔵庫での保存がおすすめです。
冷蔵庫で保存すると黒にんにくの水分を飛ばして乾燥させられるため、皮にカビが発生することを防げます。
もし、水分の多い黒にんにくを冷蔵庫で保存するときは、定期的に黒にんにくの向きを変えてあげましょう。
タッパーのような密閉容器で保存する場合には、保存容器につく湿気を拭き取ることも大切です。
保存方法③冷凍庫の場合
黒にんにくをできるだけ長く保存したい場合には、冷凍庫での保存がおすすめです。
冷凍庫に入れた場合は、約半年~1年間の保存ができます。
なお、黒にんにくを冷凍庫で保存した場合は、固くなることはありません。
黒にんにくの品質が変わることなく長期間保存できるため、安心して保存したい方は冷凍庫で保存しましょう。
黒にんにくのおすすめの食べ方
黒にんにくは、さまざまな食べ方で楽しめます。
ここでは、黒にんにくの主な食べ方を3つ紹介します。
また、、「黒にんにくのおすすめの食べ方や調理方法を紹介」の記事でそのほかの黒にんにくの食べ方を紹介しているので併せてご覧ください。
食べ方①そのまま食べる
黒にんにくは、皮をむけばそのまま食べられます。
ただし、1つ丸ごと食べることは胃腸に負担がかかってしまうため、1日1~3片を目安にしましょう。
また、冷蔵庫に入れておくと黒にんにくが冷えておいしさが増すので、気温が高くなる夏には冷やしてそのまま食べることもおすすめです。
食べ方②料理やデザートにして食べる
黒にんにくは、料理にアレンジとして加えることも可能です。
特に、熟成期間が長い黒にんにくは酸味があるため、料理に加えると独特な酸味がアクセントとなってくれます。
黒にんにくが合う料理としては、カレーや餃子などが挙げられます。
また、熟成期間が短い黒にんにくは甘みがあるので、パンケーキやトーストといったあまい物に合わせることもおすすめです。
食べ方③調味料として活用する
黒にんにくは、そのまま食べるだけではなく調味料としても活用できます。
たとえば、黒にんにくを細かく刻んで醤油と組み合わせると、黒にんにくの風味が効いた醤油を作れます。
また、黒にんにくをつぶしてお酢と合わせると黒にんにく酢にもなり、パスタやサラダなどに使えるのでおすすめです。
黒にんにくの摂取量の目安とは
黒にんにくの1日あたりの摂取量の目安は、1~3片程度です。
黒にんにくは食べすぎることでなにか副作用が起こるというわけではありませんが、人によっては胃腸の不快感や下痢などの症状が起こることがあります。
1日で大量に食べるよりも、1日1~3片を毎日食べることで、黒にんにくの栄養素をしっかりと吸収することができるため、意識して摂取しましょう。
特に黒にんにくを初めて食べる方は、少量から始めることをおすすめします。
というのも、黒にんにくは食べると「黒にんにくに副作用はある?食べる量の目安とともに解説」の記事で説明しているような副作用が起きる可能性があるからです。
黒にんにくは炊飯器を使った作り方であれば自宅でも簡単に作れる
いかがでしたでしょうか?
黒にんにくは、炊飯器を使えば自宅でも簡単に作れます。
黒にんにくを自分で作るメリットは、自分の好みに合わせた黒にんにくを作れることです。
黒にんにくに酸っぱさを求める方は熟成期間を長く、甘みを求める方は熟成期間を短くしてみてください。
※釜のサイズ、にんにくの量、温度帯によってベストなタイミングは異なるため、あくまでご参考に、各ご家庭で調整してください。
一方で、購入するよりも手間がかかってしまうというデメリットもあります。
手間をかけたくないという方は、通販にも様々な黒にんにくがあるため、購入することをおすすめします。