「体の疲れが取れない」「高血圧が気になる」など体の悩みを感じている方もいらっしゃるでしょう。
体のケアをするためには、体によい食事を心がけることが大切です。
体によいとされる食品のなかでも、黒にんにくが健康食品として注目されていることをご存じでしょうか?
そこで今回は、黒にんにくに含まれる豊富な栄養成分を解説します。
黒にんにくの成分を知りたい方や、健康に気をつけたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
美容や健康増進に効果が期待できることから、近年黒にんにくが高く注目されています。
しかし、黒にんにくに興味はあるものの「食べ方がよくわからない」「副作用が心配」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
下記記事では岡崎屋の黒にんにくについてご紹介しておりますので、ぜひあわせてご覧ください。
黒にんにくとは?
黒にんにくとは、一般的な白にんにくを一定の温度と湿度を保った状態で、1か月ほど熟成させたものです。
白にんにくが熟成するにつれて、色が変わるだけではなく栄養成分にも変化が起きます。
黒にんにくの大きな特徴は、栄養成分が増えることにより、体の調子を整えるさまざまな効果が高まるという点です。
また、黒にんにくにはさまざまな栄養素が含まれており、特にアミノ酸が豊富に含まれています。
黒にんにくについての詳細は、「黒にんにくとは?白にんにくとの違いや特徴も紹介」の記事をご覧ください。
黒にんにくに豊富に含まれているアミノ酸とは
アミノ酸は、人の体を作っている「タンパク質」を構成するための成分です。
人の体は、20種類以上のアミノ酸から構成されたタンパク質で作られています。
1つのタンパク質を作りだすためには、アミノ酸の数や種類、結合の順番などが決まっています。
そのため、アミノ酸が1つでも不足すると体内での筋肉や血液、抗体などのタンパク質の生成に大きく影響するというわけです。
この20種類のアミノ酸は、体内で合成できない必須アミノ酸と、体内で合成できる非必須アミノ酸にそれぞれ分類できます。
必須アミノ酸は、基本的に体内で作ることがでず、合成速度が遅いものが多いため、必須アミノ酸を含む食品やサプリなどから摂取しなければなりません。
一方で、非必須アミノ酸は、体内で作られるものがほとんどですが、なかには必須アミノ酸が体内で変化して非必須アミノ酸になるものもあります。
白にんにくから黒にんにくに熟成するときに増加する栄養成分10選
黒にんにくには、さまざまな栄養成分が含まれています。
ここからは、豊富な栄養成分のなかでも、白にんにくから黒にんにくに熟成するときに増加する栄養成分を10種類解説します。
栄養成分①アルギニン
アルギニンは非必須アミノ酸の1つで、黒にんにくには白にんにくのおよそ3倍のアルギニンが含まれています。
アルギニンには成長ホルモンの分泌を促す働きがあるので、筋肉を増強する効果が期待できます。
また、血流を改善する効果によって、動脈硬化や脳梗塞などの予防にもつながるという点もアルギニンの特徴です。
なお、非必須アミノ酸であるアルギニンは体内で合成できるものの、生成能力が十分ではないので、不足分をアルギニンが含まれる食事から摂取する必要があります。
そのため、黒にんにくを食べることで、適切にアルギニンを取り入れることができるでしょう。
栄養成分②S-アリルシステイン
S-アリルシステインはアミノ酸の一種であり、黒にんにく特有の栄養成分といわれています。
なぜなら、S-アリルシステインは白にんにくにはごく微量しか含まれず、白にんにくが熟成するときに約16倍に増えるからです。
S-アリルシステインには強い抗酸化作用があるので、免疫機能の低下や老化の原因となる活性酵素が増加することを防げます。
そのため、活性酵素が増えることによる動脈硬化や、シワやシミなどの肌の老化を防止する効果が期待できます。
黒にんにくに含まれるS-アリルシステインについては「黒にんにくに含まれるS-アリルシステインとは?効果を解説」の記事で詳しく説明しているのでぜひご覧ください。
栄養成分③ポリフェノール
ポリフェノールは、植物の光合成によって作られる抗酸化物質のことです。
紫外線や乾燥、塩分などの環境から身を守るために生成され、ほとんどすべての植物に含まれています。
黒にんにくに含まれるポリフェノールの量は、野菜のなかではトップクラスの含有量です。
ポリフェノールにも抗酸化作用があるため、血管や肌に悪影響を与える活性酵素の増加を防ぐ働きが期待できます。
そのため、ポリフェノールを豊富に含む黒にんにくを食べることは、健康や美容によいといえます。
栄養成分④ロイシン
ロイシンは必須アミノ酸の1つなので、食品から摂取する必要がある栄養成分です。
アミノ酸のなかでも、BCAA(分岐鎖アミノ酸)に分類され、筋肉の成長に欠かせません。
BCAAは筋肉を構成するタンパク質の主成分であり、そのなかでもロイシンには筋肉を強化して、傷ついた筋肉を修復する働きがあります。
また、ロイシンは肝臓にも影響を与えることから、ロイシンの不足によりインスリンの分泌が減少すると、糖尿病の原因になるので注意が必要です。
栄養成分⑤イソロイシン
イソロイシンは体内で合成できない必須アミノ酸の一種で、ロイシンとともにBCAAに分類されます。
筋肉の強化や修復に対しての効果だけではなく、疲労回復に対しても効果があるといわれています。
理由としては、グルコースを運動時のエネルギー源であるグリコーゲンとして蓄えることによって、スタミナを維持できるためです。
また、イソロイシンの特徴として、疲労を感じさせる物質であるセロトニンの生成を抑制する働きがあるという点も挙げられます。
栄養成分⑥フェニルアラニン
フェニルアラニンは、脳と神経細胞のあいだを伝達する神経伝達物質として働く必須アミノ酸の1つです。
フェニルアラニンは、体内でノルアドレナリンやドーパミンなどの興奮性の神経伝達物質に変換されるので、脳の機能を高める効果が期待できます。
たとえば、記憶力を向上させる効果や気分の落ち込みや無気力を緩和するという効果が挙げられます。
栄養成分⑦チロシン
チロシンは非必須アミノ酸の1つであり、必須アミノ酸の一種であるフェニルアラニンが体内で変化することで生成されます。
フェニルアラニンがチロシンになると、ノルアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質に変換されるので、うつ症状を改善する効果があるといわれています。
なぜなら、ノルアドレナリンには脳の集中力を高める働きがあり、ドーパミンにはやる気を起こさせる効果があると考えられているからです。
また、体内でメラニン色素を生成することで黒髪を形成し、白髪を予防する働きがあるという点もチロシンの特徴です。
栄養成分⑧プロリン
プロリンは非必須アミノ酸の一種で、コラーゲンの主な構成成分の1つです。
コラーゲンは軟骨や肌などを作るタンパク質の1つであり、体の組織を結びつける接着剤のような働きがあります。
そのため、プロリンを取り入れることで、約50%がコラーゲンで構成されている軟骨の合成を促すことによって関節痛を改善する効果が期待できます。
また、プロリンには肌のコラーゲンを修復させる効果もあるため、シミやシワなどを防ぐだけではなく、肌のハリや潤いを保てる点もプロリンの特徴です。
栄養成分⑨アラニン
アラニンはアミノ酸の1つで、肝機能を改善する効果やアルコールの分解の効果が得られる栄養成分です。
体内で合成できるので非必須アミノ酸に分類され、体内にあるほとんどのタンパク質に存在します。
アラニンにはアルコールの分解を促進する働きがあるので、二日酔いを改善する効果があるといわれています。
そのため、二日酔いになってしまった場合は、アラニンが含まれている食事を心がけるとよいでしょう。
栄養成分⑩アスパラギン酸
アスパラギン酸は体内で合成できる非必須アミノ酸の一種で、尿の合成を促す効果があります。
アスパラギン酸による利尿作用で、毒性のあるアンモニアを体外に排出できるため、適切に取り入れることで肝臓の負担を減らすことが可能です。
また、エネルギーを作りだす機能である「クエン酸回路」に働きかけることで、疲労の原因となる乳酸の分解を促進するので、疲労回復にも効果が期待できます。
黒にんにくに含まれる栄養成分の健康への効果
ここまででお伝えしてきたように、黒にんにくには健康によいさまざまな成分が含まれています。
ここからは、黒にんにくに含まれる栄養成分の健康への効果を3つ紹介します。
黒にんにくは健康効果がある一方、食べ過ぎると良くない効果もあるそうです。
黒にんにくの食べ過ぎによる副作用については、「黒にんにくに副作用はある?食べる量の目安とともに解説」の記事で詳しく説明しているので、ぜひご覧ください。
効果①疲れにくい体づくりができる
黒にんにくを食べると、疲れにくい体づくりができるといわれています。
なぜなら、黒にんにくに含まれるアルギニンが、疲労感の原因物質であるアンモニアを除去することで、疲労回復に効果を発揮すると考えられているからです。
また、アルギニンによって、インスリンという膵臓で生成されるホルモンの分泌が促されます。
インスリンには血糖値を下げる働きがあり、血糖値が下がることで、ウイルスなどの病原菌から体を守る免疫細胞である白血球の働きをよくして、体の免疫力を高められます。
黒にんにくに含まれているアルギニンの量は、白にんにくのおよそ3倍であることから、疲労回復や免疫力アップにつながるでしょう。
効果②生活習慣病の予防につながる
黒にんにくには、抗酸化物質であるポリフェノールも豊富に含まれています。
ポリフェノールの強い抗酸化作用には、体内にある余分な活性酵素を除去する効果があります。
活性酵素は酵素と栄養成分からエネルギーが作られるときに出るものであり、活性酵素の効果は血流を促進させることです。
しかし、余分な活性酵素は血管に負担をかけるので、高血圧の原因になるといわれています。
そのため、ポリフェノールが豊富に含まれている黒にんにくを食べることで、余分な活性酵素を取りのぞけるので、生活習慣病の1つである高血圧の予防につながります。
近年ではチョコレートなどでよくみられるGABAも豊富に入っているものもあり、血圧を下げる機能性表示食品と認められてる黒にんにくもあるほどです。
効果③肌の悩みを解消できる
白にんにくが熟成する過程で、S-アリルシステインというアミノ酸が生成されます。
S-アリルシステインには抗酸化作用があり、肌の老化を引き起こす活性酵素と腸内の悪玉コレステロールの結合を防ぐ効果が期待できます。
また、黒にんにくに含まれている、肌にとって嬉しい効果のある成分は、S-アリルシステインだけではありません。
普段の食事で不足することが多いビタミンやミネラルも多く含まれています。
黒にんにくに含まれるビタミンやミネラルが、シワやシミ、そばかすといった肌の悩みを解消してくれるでしょう。
黒にんにくが持つ美容効果については、「黒にんにくは美容に良い!?美容成分や効果を紹介」の記事で詳しく説明しているので、興味がある方はご覧ください。
黒にんにくの栄養成分を活かすためのおすすめのレシピ
黒にんにくの特徴として、白にんにくのような強いニオイがほとんどなく、ドライフルーツのような甘みがというある点が挙げられます。
黒にんにくはフルーティーな甘さがあるのでそのままでもおいしく食べられる一方で、ほかの料理と一緒に食べるというアレンジも楽しめます。
たとえば、黒にんにくをトッピングするサラダは、簡単に作ることができるのでおすすめのアレンジレシピです。
薄くスライスした黒にんにくをサラダに混ぜて、そのうえにオリーブオイルとリンゴ酢、みじん切りにした黒にんにくを混ぜたドレッシングをかければ完成です。
このサラダではアレンジはしているものの、黒にんにくを加熱することなく食べられるので、黒にんにくの栄養成分を損なうことがありません。
また、ほかにもおすすめのアレンジレシピとして、黒にんにくとバターで作るガーリックバターがあります。
黒にんにくと常温に置いて柔らかくしたバターを、フードプロセッサーに入れて混ぜるだけで簡単に作れます。
トーストに塗って食べたりパスタに混ぜたりするだけではなく、チーズに乗せておつまみとして食べることもできるため、幅広いアレンジで楽しめるでしょう。
黒にんにくの食べ方については、「黒にんにくのおすすめの食べ方や調理方法を紹介」の記事で紹介しているので、黒にんにくをいろんな味わい方をしてみたい方はぜひご覧ください。
黒にんにくに含まれる豊富な栄養成分は健康によい効果がある
いかがでしたでしょうか?
黒にんにくとは、一般的な白にんにくを1か月ほど熟成させたものであり、熟成する過程で10種類もの栄養成分が増加します。
栄養成分が増えることにより、体の調子を整えるさまざまな効果が高まるという点が黒にんにくの大きな特徴です。
黒にんにくの増加する栄養成分のなかでも、アルギニンやポリフェノール、そしてS-アリルシステインが代表的なものであり、疲労回復や生活習慣病の予防、美肌効果があります。