にんにくの生産量・産地ランキング|青森県が多い理由や国産・輸入品の違いを解説

にんにくのお役立ち情報

にんにくを買うとき、青森県産や北海道産、中国産、スペイン産など、さまざまな産地表示を目にします。
なかでも青森県は国内最大の産地として知られていますが、「実際に全国の何割を作っているのか」「なぜ青森県で生産が盛んなのか」と疑問に思う方もいるでしょう。
にんにくの産地は単なる地域名ではなく、気候や栽培される品種、生産規模、収穫後の管理方法などとも関係しています。
また、日本では国産にんにくだけでなく多くの輸入品が流通しており、国内の産地ランキングと輸入先の構成は分けて見ることが大切です。
この記事では、農林水産省の最新の確報をもとに国内のにんにく生産量と主要産地を整理し、青森県の生産量が多い理由や産地ごとの特徴を解説します。
さらに、中国産やスペイン産などの輸入状況、国産と輸入品の価格や用途の違い、購入するときの産地表示の見方まで紹介します。

日本のにんにく生産量と産地ランキング

農林水産省「令和6年産野菜生産出荷統計」によると、2024年産のにんにくの全国収穫量は17,600tです。
都道府県別では青森県が11,700tで全国1位となっており、全国の66.5%を占めています。
つまり、日本国内で収穫されるにんにくのおよそ3分の2が青森県産ということになります。

2024年産の主な産地を収穫量順に見ると、次のようになります。

順位 都道府県   収穫量  全国に占める割合
1位  青森県  11,700t    66.5%
2位  北海道  1,000t      5.7%
3位  香川県  509t    2.9%
4位  岩手県  353t    2.0%
5位  鹿児島県 324t    1.8%
6位  秋田県  265t    1.5%
7位  福島県  256t    1.5%
8位  宮崎県  162t    0.9%
9位  大分県  159t    0.9%
10位  熊本県  99t    0.6%

出典:農林水産省「令和6年産野菜生産出荷統計」

特に目立つのが、1位の青森県と2位以下との差です。
青森県の11,700tに対し、2位の北海道は1,000tで、青森県だけが1万tを超えています。
青森県、北海道、香川県の上位3道県を合わせると13,209tとなり、全国収穫量の約75%を占めます。
「にんにくの産地」と聞いて青森県を思い浮かべる方が多いのは、知名度だけでなく、実際の生産規模にも大きな差があるためです。

ただし、生産量ランキングは毎年まったく同じ数量になるわけではありません。
にんにくも農産物であるため、作付面積に加えて、生育期の気温や降水、病害などの影響を受けます。
ランキングを見るときは、何年産の統計なのかを確認することが重要です。
古い記事では2019年などの数字が現在のランキングとして紹介されている場合もあるため、比較するときは同じ年度の統計を使いましょう。

にんにくの生産量1位は青森県|全国の約3分の2を生産

2024年産の青森県のにんにく収穫量は11,700t、作付面積は1,420haです。
全国の作付面積2,520haに対して青森県だけで56%以上を占め、収穫量では66.5%を占めています。
作付面積だけでなく収穫量の割合も高いことから、青森県が国内のにんにく供給を支える非常に大きな産地であることが分かります。

では、なぜこれほど青森県に生産が集中しているのでしょうか。
理由を考えるうえでは、気候だけでなく、品種や栽培技術、収穫後の管理まで見る必要があります。

寒冷地型の品種と青森県の気候が合っている

にんにくには、寒冷地での栽培に適した寒地系品種と、比較的暖かな地域に適した暖地系品種があります。
青森県の代表的なにんにくである福地ホワイトは寒冷地型の品種です。
農林水産省東北農政局も、青森県では県の気候に合った寒冷地型の「福地ホワイト」が栽培されていると紹介しています。

にんにくは秋に植え付け、冬を越してから生育し、翌年に収穫する栽培体系が一般的です。
そのため、冬の低温を経験することが生育に関係します。
農畜産業振興機構によると、にんにくは花芽分化のために一定期間の低温に遭遇する必要があり、国内では低温を好むホワイト六片などの寒地系品種が多く栽培されています。

青森県や北海道など北日本が主要産地になっている背景には、こうした品種と気候の相性があります。
単純に「寒ければ寒いほどよい」ということではなく、その土地の気候に適した品種を選び、栽培技術を組み合わせることが重要です。

福地ホワイトは大玉で一片が大きい

青森県で広く知られている福地ホワイトは、白い外観と大きな粒が特徴の寒地系品種です。
東北農政局では、福地ホワイトについて、色が白く、表面に張りがあり、実が引き締まっているほか、大玉で1玉当たり4~6片になることを特徴として紹介しています。

にんにくは品種によって1玉に入る片数や一片の大きさなどが異なります。
そのため、「青森県産だから」という産地だけで見るのではなく、どの品種が栽培されているのかを見ると、商品の特徴を理解しやすくなります。

岡崎屋では、青森県産の福地ホワイト六片種に限定してにんにくを取り扱っています。
青森県産が多い理由や福地ホワイトについてさらに詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。

▶なぜにんにくは青森県産が多いのか?

また、にんにくには寒地系だけでなく暖地系を含め複数の種類があります。
産地と品種の違いを知りたい場合は、種類ごとの特徴も合わせて確認すると分かりやすいでしょう。

▶にんにくの種類について

土づくり・栽培管理・収穫後の管理も産地を支えている

大きな産地が形成される理由は、自然条件だけではありません。
東北農政局は青森県のにんにくについて、気候に合う品種に加え、にんにく栽培に合った土づくり、きめ細かな栽培管理、収穫後の乾燥作業や貯蔵技術によって生産されていると説明しています。

にんにくは収穫すればすぐにすべて出荷する作物ではありません。
収穫後の乾燥や温度管理などを行いながら品質を維持し、流通させる仕組みも重要です。
生産量が多いだけでなく、収穫したにんにくを継続的に供給できる体制が整っていることも、大産地を支える要素といえるでしょう。

岡崎屋でも、収穫後の青森県産にんにくを専用冷蔵庫で管理し、産地から全国へ直送しています。
産地を選ぶ際には、生産地だけでなく、収穫後にどのように管理されている商品なのかにも注目してみてください。

生産量2位の北海道|寒冷な地域でにんにくを生産

2024年産のにんにく生産量2位は北海道で、収穫量は1,000t、全国シェアは5.7%です。
作付面積は176haで、こちらも青森県に次ぐ規模となっています。

北海道も青森県と同じ北日本に位置し、寒地系のにんにくを栽培できる地域です。
農畜産業振興機構の資料でも、北海道では青森県と同様に福地ホワイトなどの寒地系品種が栽培される地域として紹介されています。

2024年産では北海道の収穫量は3位の香川県509tのおよそ2倍で、国内第2位の産地として存在感があります。
一方、青森県の11,700tと比較すると大きな差があり、「北海道も寒いから青森県と同じ程度作られている」というわけではありません。

産地形成には気候だけでなく、従来からの作付面積、生産者や集出荷の体制、栽培技術、地域で選ばれてきた品種など複数の条件が関わります。
「栽培できる気候」と「大規模な産地になる条件」は分けて考えることが大切です。

生産量3位の香川県|暖地系にんにくの代表的な産地

2024年産の第3位は香川県で、収穫量は509t、全国シェアは2.9%です。
北日本の青森県・北海道に続いて、温暖な四国の香川県が上位に入っていることを意外に感じる方もいるかもしれません。

その理由を理解する手掛かりになるのが品種です。
にんにくには寒地系と暖地系があり、すべての地域で同じ品種を作るわけではありません。
農畜産業振興機構の資料では、青森県や北海道でホワイト六片や福地ホワイトなどの寒地系品種が栽培される一方、香川県などの温暖な地域では上海早生などの暖地系品種が栽培されるとされています。

つまり、「にんにくは寒い場所でしか作れない」というわけではありません。
それぞれの地域の気候に合った品種を選ぶことで、北日本だけでなく西日本にも産地が形成されています。

産地ランキングを見るときは、単に1位から順に数字を見るだけではなく、「その地域ではどのような系統の品種が選ばれているのか」という視点を持つと、産地の違いが分かりやすくなります。

青森・北海道・香川以外にもにんにく産地はある

上位3道県以外にも、日本各地でにんにくは生産されています。
2024年産では、4位が岩手県353t、5位が鹿児島県324t、6位が秋田県265t、7位が福島県256tとなっています。
東北の寒冷地だけでなく、鹿児島県や宮崎県、大分県など九州にも産地があります。

この分布からも、にんにくの産地を「寒い地域だけ」と考えるのは適切ではないことが分かります。
寒冷地では寒地系品種、温暖な地域では暖地系品種というように、地域の条件に応じた栽培が行われています。

一方、生産規模には大きな差があります。
青森県だけで全国生産量の66.5%を占めるのに対し、青森県以外の各県は1県当たり数%以下です。
そのため、スーパーや通販などで国産にんにくを探すと青森県産を目にする機会が多くなりますが、ほかの地域でもそれぞれの気候や品種を生かした生産が行われています。

産地ごとに一律の優劣をつけるのではなく、品種、粒の大きさ、価格、購入目的などと合わせて選ぶことが大切です。

日本で流通するにんにくは輸入品も多い

「日本のにんにく産地」を考えるとき、国内生産量だけを見ていると流通の全体像をつかめません。
日本では国産にんにくに加えて、海外から輸入されたにんにくも多く使われています。

農畜産業振興機構によると、2024年の日本の生鮮にんにく供給量は、国内収穫量と輸入量を合わせて41,838tでした。
このうち輸入量は24,238tで、供給量に占める輸入品の割合は57.9%です。
数量ベースで見ると、国内で生産されるにんにくだけでなく、輸入品も日本の需要を支える大きな存在となっています。

2024年の生鮮にんにくの主な輸入先は、次のとおりです。

中国 22,541t 93.0%
スペイン 1,301t 5.4%
米国 214t 0.9%
アルゼンチン 132t 0.5%
その他 49t 0.2%

出典:農畜産業振興機構「野菜情報」2026年2月号、原資料:財務省「貿易統計」

輸入品の中では中国産が圧倒的に多く、輸入量の93.0%を占めています。
2位はスペイン産ですが5.4%であるため、日本の輸入にんにくは中国産を中心に構成されていることが分かります。

輸入にんにくは中国産が中心|スペイン産も流通

中国産は日本の輸入量の9割以上を占める

中国は日本にとって最大の生鮮にんにく輸入先です。
2024年には22,541tが輸入され、輸入量全体の93.0%を占めました。

中国産は価格面で国産品と大きな差があります。
農畜産業振興機構によると、東京都中央卸売市場における2020~2024年のにんにくの平均取引価格は、国内産がおおむね1kg当たり1,500円前後で推移したのに対し、中国産は370円前後でした。
2024年の国内産平均は1kg当たり1,676円となっています。

これは卸売市場での平均取引価格であり、そのままスーパーなどの小売価格を示す数字ではありません。
それでも、国産と中国産には流通段階で大きな価格差があることが分かります。

輸入にんにくは価格面の優位性から、家庭向けだけでなく加工・業務用にも利用されています。
たくさんのにんにくを使う飲食店や食品加工では、必要量やコストを踏まえて輸入品が選ばれることがあります。

一方で、「中国産だから品質が低い」「国産なら必ず優れている」と産地だけで一律に判断するのは適切ではありません。
商品の用途や品種、サイズ、鮮度、管理状態なども確認して選びましょう。

スペイン産は輸入量2位

2024年のスペイン産にんにくの輸入量は1,301tで、輸入品全体の5.4%でした。
中国産とは数量に大きな差がありますが、日本の生鮮にんにく輸入先としては2位です。

近年はスーパーなどでスペイン産を見かけることもあり、中国産以外の輸入にんにくの選択肢になっています。
ただし、スペイン産と一口にいっても品種や商品規格などは異なるため、産地名だけから味や品質を決めつけないことが重要です。

国産、中国産、スペイン産の違いをさらに詳しく確認したい方はこちらをご覧ください。

▶国産・中国産・スペイン産にんにくの違いについて

国産にんにくと輸入にんにくはどう選ぶ?

産地別の生産量を知ったあとに大切なのが、「自分はどれを選ぶか」です。
生産量が1位だからすべての用途で最適というわけではなく、使い方や予算によって選択肢は変わります。

一片の大きさや扱いやすさを重視するなら品種も確認する

家庭料理で一片ずつ切ったり、すりおろしたり、丸ごと加熱したりする場合は、産地だけでなく粒の大きさにも注目しましょう。
青森県で栽培される福地ホワイトは、大玉で1玉当たり4~6片になることが特徴として知られています。

一片が大きいにんにくは皮をむく回数を抑えやすく、必要な量を取り分けやすい場合があります。
一方、料理によっては小さな粒を複数使う方法もあるため、一片の大きさだけで良し悪しが決まるものではありません。
品種と料理の使い方を合わせて考えると選びやすくなります。

価格と使用量を重視するなら輸入品も選択肢

にんにくを大量に使う場合、価格は重要な判断材料です。
国産と中国産には卸売段階でも大きな価格差があり、加工・業務用を中心に輸入品が広く利用されています。

例えば、ソースや調味料、加工食品など、一度に大量のにんにくを使用する用途では、コストを考えて輸入品を選ぶ考え方があります。
一方、家庭で使用する量が少なく、品種や産地を重視して選びたい場合には国産品を検討する方法があります。

大切なのは「国産か輸入品か」だけで良し悪しを決めるのではなく、必要量、予算、料理、粒の大きさなどから選ぶことです。

青森県産を選ぶなら品種や等級もチェックする

同じ青森県産でも、商品はすべて同じではありません。
品種のほか、サイズや等級、皮付きかむきにんにくかなどによって使いやすさが変わります。

家庭で日常的に使うのか、贈答用にするのか、料理店などで一定量を使用するのかを考えて選ぶと、自分に合った商品を見つけやすくなります。
岡崎屋では青森県産の福地ホワイト六片種を、等級やサイズなどに応じて取り扱っています。

▶青森県産にんにくの商品を見る

にんにくを手軽に料理へ取り入れたい場合は、乾燥スライスやパウダーなどの加工品を選択する方法もあります。

▶にんにくの関連加工品を見る

にんにくの産地表示を見るときのポイント

スーパーや通販でにんにくを購入するときは、まず原産地を確認しましょう。
青森県産、北海道産など国内の都道府県名が表示されている商品もあれば、中国産、スペイン産など国名が表示された輸入品もあります。

ただし、産地表示だけですべての特徴が分かるわけではありません。
青森県産なら福地ホワイトなどの品種、商品のサイズや等級、収穫後の管理方法など、確認できる情報を合わせて見ることが大切です。

通販の場合は、商品写真だけでなく、原産地、品種、内容量、サイズ、保存・配送方法などの商品情報を確認しておくと選びやすくなります。
価格を比較するときも、1玉の価格だけを見るのではなく、重量やサイズが同程度かを確認しましょう。

また、「国内産のほうが必ずおいしい」「特定の海外産は品質が低い」というように、産地名だけから品質を断定することは避ける必要があります。
農産物は同じ産地でも栽培条件や収穫時期、規格、保存状態などによって違いがあります。
産地は重要な判断材料の一つですが、それだけで商品のすべてが決まるものではありません。

にんにくの生産量データを見るときは「収穫量」と「出荷量」の違いにも注意

にんにくの統計を調べていると、「生産量」「収穫量」「出荷量」という似た言葉が登場します。
ランキングを比較するときは、何を基準に並べているのかを確認しましょう。

農林水産省の野菜生産出荷統計では、作付面積、10a当たり収量、収穫量、出荷量などがそれぞれ示されています。
収穫量は実際に収穫された量を表し、出荷量はそのうち販売などのために出荷された量です。
そのため、収穫量と出荷量は同じ数字になるとは限りません。

この記事では、国内の「生産量ランキング」を比較しやすくするため、2024年産の収穫量を基準に順位と割合を紹介しています。
別の記事や統計と数字が違って見える場合は、年度だけでなく、収穫量なのか出荷量なのかも確認してください。

また、「過去数年間の平均値」と「特定年度の実績」を混同しないことも重要です。
あるサイトでは複数年平均によるランキング、別のサイトでは2024年単年のランキングが表示されている場合があります。
最新の状況を知りたいのであれば、農林水産省などが公表する確報の対象年を確認するのがおすすめです。

国内生産量と輸入量は別々に考える

もう一つ注意したいのが、「国内生産量」と「日本で流通する量」は同じではないことです。
国内産地ランキングでは青森県が圧倒的な1位ですが、日本では中国を中心に大量のにんにくが輸入されています。

2024年の国内収穫量は17,600tである一方、生鮮にんにくの輸入量は24,238tでした。
国内だけを見れば「青森県産が約3分の2」ですが、輸入品まで含めた日本全体の供給では海外産も大きな割合を占めています。

そのため、「日本で最も生産量が多い産地はどこか」という問いへの答えは青森県ですが、「日本で使われるにんにくはどこから来ているか」という問いでは、中国をはじめとする輸入先も含めて考える必要があります。

この違いを理解しておくと、スーパーで青森県産と中国産が並んでいる理由や、国産の生産量以上に多くのにんにくが年間を通じて流通している背景を理解しやすくなります。

まとめ|にんにくの生産量は青森県が全国1位、産地と用途を見て選ぼう

2024年産の国内にんにく収穫量は17,600tで、1位の青森県が11,700t、全国の66.5%を占めています。
2位は北海道の1,000t、3位は香川県の509tで、青森県がほかの産地を大きく上回っています。

青森県が大産地となっている背景には、寒冷地型の福地ホワイトと地域の気候の相性に加え、土づくり、栽培管理、収穫後の乾燥や貯蔵技術などがあります。
一方、香川県をはじめとする温暖な地域では暖地系品種が栽培されており、にんにくは地域の気候に合わせた品種選びによって全国各地で生産されています。

海外からの輸入も多く、2024年の生鮮にんにく輸入量24,238tのうち93.0%が中国産、5.4%がスペイン産でした。
国産と輸入品には価格や主な用途にも違いが見られますが、産地だけで優劣を決めるのではなく、品種、サイズ、価格、使用量、商品の管理状態などを合わせて選ぶことが大切です。

家庭で青森県産にんにくを選びたい方は、産地に加えて福地ホワイトなどの品種やサイズ、等級にも注目してみてください。
生産量の数字だけでなく「なぜその地域で作られているのか」まで知ることで、店頭や通販でのにんにく選びにも産地情報を活かしやすくなります。

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