独特の風味と香りが食欲をそそり、さまざまな料理の味を引き立てる「にんにく」は、料理に欠かせない食材の1つです。
しかし、にんにくの種類は、その見た目や風味・味わいなど、実にさまざまです。
そこで、今回の記事では、にんにくの中でも特に人気が高い「暖地系にんにく」に焦点を当て、その種類や特徴、おすすめの品種、そして育て方についてご紹介します。
にんにくの種類ってどうやって分類するの?
にんにくは、大きく分けて3つの方法で分類されます。
気候による分類
にんにくは、その生育に適した気候によって、大きく「暖地型にんにく」と「寒地型にんにく」に分類されます。
暖地型にんにく
暖地型にんにくは、温暖な地域で栽培されるにんにくです。
一般的に、四国・九州・沖縄など、関西以西の地域で栽培される暖地型にんにくは、休眠期間が短く、品種によっては休眠期間がないものもあります。
寒地型にんにく
寒地型にんにくは、寒冷な地域で栽培されるにんにくです。
一般的に、北海道・東北など、関西以東の地域で栽培され、寒さに強く、雪の中でも育てられる品種もあります。
鱗片数による分類
にんにくは、1つの球に含まれる鱗片の数によっても分類されます。
鱗片とは、にんにくの一般的に食べられる部分のことです。
多片種
多片種は、1球に多くの鱗片が含まれる品種です。
一般的に、暖地型にんにくに多く見られます。
鱗片数は、1球あたり12~13個前後と多く、1片の大きさが小さめのため、皮を剥きづらく、切りづらい欠点があります。
六片種
六片種は、1球に6個の鱗片が含まれる品種です。
一般的に、寒地型にんにくに多く見られます。
鱗片数は少ないものの、1片の大きさは大きめのため、にんにくを多めに使いたい場合に向いています。
生産国による分類
にんにくは、生産国によっても分類されることがあります。
それぞれの生産国のにんにくには、独自の特性や特徴があります。
例えば、中国産のにんにくは、価格が安く、手に入りやすいのが特徴です。
暖地系にんにくの種類
暖地系にんにくは、その地域や品種によって、さまざまな特徴を持っています。
ここでは、暖地系にんにくの中でも代表的な品種をいくつか紹介します。
上海早生(しゃんはいわせ)
上海早生は、中国が原産の品種で、国内では九州や四国を中心に栽培されています。
球は福地ホワイト六片によく似ていますが、上海早生の方が少し茶色がかっていて、スーパーで手に入ります。
壱州早生(いっしゅうわせ)
壱州早生は、1925年に朝鮮半島から長崎県壱岐市に伝わった品種です。
見た目は福地ホワイト六片などメジャーなニンニクと変わりませんが、鱗片は12片前後あるので1片の大きさが小さいことが特徴です。
島にんにく
島にんにくは、沖縄県で栽培されている品種です。
球はピンクがかっているのが特徴的ですが、中は他の品種と同様に白色で、1球あたり約15~20片の鱗片に分かれています。
ジャンボにんにく
ジャンボにんにくは、その名の通り球が大きい品種です。
ただし、ジャンボにんにくは分類上、ネギ科ネギ属リーキ種のネギの仲間です。
「ジャンボリーキ」や「エレファントガーリック」などと呼ばれることもあります。
おもに鹿児島県で栽培されていて、鱗片の大きさは普通のニンニクの1球ほどもあります。
平戸にんにく
平戸にんにくは、1球あたり100~150gにまで育つ、暖地向けの早生大型球種です。
見た目も『福地ホワイト六片』に代表されるホワイト六片に似ています。
博多八片にんにく
博多八片にんにくは、福岡県博多地域を中心に栽培されている暖地系にんにくです。
名前に「八片」とあるように、よく見られる暖地系にんにくより鱗片の数が多いことで知られています。
暖地系にんにくを育てるなら
ここでは、暖地系にんにくの栽培について、簡単に解説していきます。
栽培の準備
暖地系にんにくを栽培する時は、事前にプランターと土を用意しておきましょう。
土は、野菜用の培養土で問題ありませんが、にんにくは過湿に弱いので、水はけのよい土を選ぶことが大切です。
植え付け
にんにくの植え付けは、9~10月頃が適期です。
鱗片の選び方
にんにくの鱗片は、球のままの塊か、鱗片をばらしてネットに詰めて販売されています。
球のままの場合は、1片ずつにはがして使用しますが、薄皮は付けたままでも構いません。
小さすぎる鱗片の使用は控えましょう。
植え付け方
鱗片を水はけのよい培養土に、12~15cm程度の間隔で、覆土が4~5cmかかる深さで植え付けましょう。
水やり
にんにくは乾燥には強いのですが、過湿には弱いため、土が湿った状態が続くのはよくありません。
土が乾いたら水をやるようにして、水のやり過ぎに注意しましょう。
追肥
追肥は、基本的に12月・2月・3月の3回行います。
65cm幅のプランターの場合、成分量窒素8:リン酸8:カリ8の化成肥料であれば、20gずつを各月1回行います。
トウの摘み取り
4~5月になると、茎の先端からトウ(花の咲く茎)が伸び出します。
花は咲きませんが、にんにくの球を太らせるために、早めに摘み取ってください。
収穫
にんにくの球は、5月の終わりから6月にかけて大きくなり、6月ごろ、葉が枯れ始めたら収穫のタイミングです。
ただし、6月になる前に葉が枯れた場合は、病気の可能性があり、球は太っていません。
栽培のポイント
暖地系にんにくの栽培で失敗の原因となるのは、主に病気です。
にんにくは非常に病気にかかりやすいため、育て方に関係なく収穫に至らないケースもあります。
まとめ
この記事では、暖地系にんにくの種類や特徴・おすすめの品種、そして育て方について解説しました。
暖地系にんにくは、この記事で紹介した以外にも、多くの暖地系にんにくの品種があり、その地域や品種によって、さまざまな特徴を持っています。
ぜひ、色々な品種を試して、ご自身にとって1番美味しいにんにくを見つけてくだされば幸いです。
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